耐火性と透湿性に優れ、安価な建材として幅広く用いられているケイカル板ですが、経年劣化による塗装や張替えのメンテナンスは必要です。
しかし、費用への懸念から、業者依頼すべきかDIY塗装しようかは悩むところです。。
ここでは、ケイカル板塗装の時期・道具・手順とチェックポイントを詳細解説しています。
記事を読むとケイカル板塗装の難易度を理解でき、柔軟な選択ができるでしょう。
ケイカル板のメンテナンス周期はおよそ10年といわれています。
ただし、設置環境や災害等によって劣化が早まるケースもあります。
そのような場合は、すみやかにメンテナンスに着手しましょう。
メンテナンスを必要とする具体的な症状は以下のとおりです。
・色褪せ
・チョーキング現象(手で触ると白い粉が付着)
・汚れやシミが目立つ
・塗膜の剥がれ
・ひび割れ
さらにケイカル板自体が浮いてきたり、カビが発生したりするようなら重症です。
塗装だけでは対応できないため、貼り替えが必要です。
ケイカル板塗装のDIYに必要な道具とその総額に対し、業者依頼した場合のおおよその価格を比較してみます。
DIY |
業者依頼 |
|
費用発生項目(道具・内訳) |
|
|
費用総額 |
15,000~35,000円 (3~4平方メートル) |
12,000~54,400円 (1平方メートル) |
ちなみに、30坪・2階建て住居の軒天塗装を業者依頼した場合の費用相場は25~30万円です。
用途の広いケイカル板は屋内外問わずに使用されています。
屋内と屋外では、作業内容と難易度が異なるため注意が必要です。
ここではケイカル板塗装の作業手順とポイントを、軒天(屋外)と天井(屋内)に分けて紹介していきます。
屋内塗装の場合は必要ありませんが、屋外の軒天屋外のを塗装する際は、DIYと業者依頼に関わらず近隣へ周知しましょう。
なぜならば、塗料の臭い・飛散などによる万一のトラブルに備えるためです。
また、業者依頼した場合、足場設置や作業車の駐車により見通しが悪くなったり交通障害を引き起こしたりするケースもあります。
事前に工期を周知し、近隣との円満な関係を保ちましょう。
ケイカル板塗装は天井や軒天などの高所になるため、足場を固める作業は屋内外問いません。
脚立・梯子・足場設置などの措置がとられます。
DIY塗装の場合、地盤は必ずしもフラットとは限らない点に注意しつつ、梯子や脚立が倒れないよう支えてもらいましょう。
足場を固める作業は、ケイカル板塗装の危険度を知らしめるため、DIYか業者依頼かの分岐点になります。
ケイカル板塗装の下地処理における屋内外の違いは高圧洗浄機の使用です。
屋内では、まず使いません。
屋外においても、ケイカル板に通気口などが設置されている場合、使用は控えられます。
ケイカル板の凸凹に関しては、ある程度は塗料で補えます。
もし、パテ埋めをする場合は、シーラー塗装(下塗り)の後にしましょう。
なぜなら、ケイカル板がパテの水分を吸って剥がれる可能性があるからです。
屋内天井も軒天も上向きの塗装作業になるため、床面の養生はもちろん、周囲への飛散にも注意しましょう。
塀や庭木が近い場合、マスカーやブルーシートで覆うなどの措置が求められるでしょう。
屋内塗装における床面の養生は、飾り縁の上からマスカーやビニールシートを敷くなどの措置がとられます。
作業中、床面に落ちた塗料を踏んでしまうため、シートの範囲内だけ履物を変える必要があります。
屋内外問わず、目的の塗料を塗る前に下地剤としてシーラーを塗ります。
ケイカル板は水分を吸収しやすいため、2回塗りした方がよいでしょう。
その際、1回目が完全に乾いてから塗るのがポイントです。
先に細かい部分を刷毛で塗り、広い部分はローラーで塗ると効率的です。
ケイカル板塗装における本塗りの手順は、下塗りと同じです。
2度塗り以上を基本とし、色味によってはそれ以上の回数を塗り重ねます。
特にパステル系などの淡いカラーを塗る場合、先に白の塗料を塗ると下地の影響を受けにくく発色がよくなります。
ローラーを使う場合、ハンドル部分に継ぎ柄をすると塗りやすいでしょう。
養生の撤去は、塗料が乾ききる前にやっておかなければなりません。
乾いてから外そうとすると、塗装も剥がれてしまうからです。
足場・梯子・脚立等を撤去したら作業完了となりますが、屋外作業の場合、近隣への報告を忘れないようにしましょう。
作業の影響を省みた丁寧な挨拶が必要です。
以下に、ケイカル板塗装のコツを列挙します。
・最低でも2度塗りする(必要に応じて塗り重ねる)
・一度塗るたびにしっかり乾かす
・塗料の耐用年数に注意し、メンテナンスを含めたコストを考慮する
・作業の難易度を理解する(足場不安定・上向き作業)
・業者依頼する場合は、必ず複数業者に見積り依頼する
ケイカル板塗装はリフォームの一種であり、万一の怪我や周辺トラブルへのリスクを考慮しなければなりません。
慎重を期した、総合的な判断が必要でしょう。
ケイカル板塗装のメンテナンス周期はおよそ10年です。
もちろん、塗料の種類や環境によって多少の差が出ます。
コストへの懸念から、DIY塗装を選択しがちですが、作業箇所の難易度に応じた柔軟な対応が必要です。
安易なケイカル板塗装は耐久性を損ない、かえってコスト高になります。
大切なのは、近隣への配慮と養生、そして無理をしないことです。
慎重な判断が望まれます。
外壁塗装
屋根工事