シーリング工事とは建築現場や外壁塗装などで盛んに用いられる単語です。
しかし、改めて定義を問われたらどう答えてよいか戸惑う方は少なくないでしょう。
ここでは「シーリング工事とは」の問いの答えと基本情報を解説しています。
さらに、DIY施工と業者依頼する際の費用と注意点にも言及しています。
施工を検討している方にとっては意義深い記事です。
ぜひご一読ください。
シーリング工事とは、仕上げ材の隙間から水が浸入するのを防ぐための工事です。
建物はさまざまな部材から構成され、どれだけ密着させても接合部分には隙間ができてしまいます。
屋根や外壁の場合、わずかでも隙間を放置しておくと外気や雨水が浸入し、内部の素材が劣化します。
そこで、あえて隙間を広くして目地を作り、シーリング材を充填するのがシーリング工事です。
シーリング工事は、屋根や外壁だけでなくキッチンや浴室など、住宅のあらゆる場面に用いられています。
シーリング工事の施工法には下記2種類があります。
・既存シーリングの上に被せる「増し打ち工事」
・既存シーリングを剥がして打ち直す「打ち替え工事」
それぞれについて解説します。
増し打ち工事とは、既存のシーリング材の上に新たなシーリング材を被せる工事です。
既存のシーリングがそれほど劣化していない状態で、劣化が進まないよう予防的に施工します。
既存のコーキング材を剥がす必要がないため、作業が容易で工期も短いのが特徴です。
費用も安く抑えられます。
打ち替え工事とは、既存のシーリングをすべて剥がした後に新しいシーリングを充填する工事です。
既存シーリングを剥がす作業に手間取りますが、新規施工と変わらないため隙間のない充填が可能です。
シーリングの本来の性能である防水性・柔軟性ををいかんなく発揮できると共に、カタログ通りの耐久性が期待できます。
シーリング工事に用いられるシーリングは以下の4種類です。
・アクリル系
・ウレタン系
・シリコン系
・変性シリコン系
それぞれの特徴と使用適所・費用を表にします。
特徴 |
使用適所 |
単価(100ml) |
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アクリル系 |
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100円 |
ウレタン系 |
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150円 |
シリコン系 |
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150~200円 |
変性シリコン系 |
|
|
200円 |
種類によって単価は倍になります。
耐久性とのバランスを考慮するのが望ましいでしょう。
シーリング工事の施工工程は比較的シンプルなため、DIYでも可能です。
ただし、最低限、以下の項目を肝に銘じておきましょう。
・天気に気をつける
・雨が降ったら施工中でも直ちに中止する
・目地をしっかり掃除する
・幅広のマスキングテープを使う
DIY、特に一人作業の場合、こうした事項への判断が曖昧になりがちです。
適当にやって失敗するか、無理をして怪我をするか、施工場所の危険度と併せた業者依頼との分岐点といえるでしょう。
シーリング工事に関する資格は下記の2種類です。
・シーリング防水施工技能士
・シーリング管理士
シーリング防水施工技能士とは「防水施工技能士」の一種であり、施工技術の確保と向上を目的とした国家資格です。
対してシーリング管理士は日本シーリング材工業会と日本シーリング工事業協同組合連合会が認可する民間資格です。
毎年1回、検定講習会と検定試験が行われ、現場の管理・指導に携わります。
これら2つの資格所有者の在籍する業者なら、安心して施工依頼できるでしょう。
建物にシーリング工事を施す場合、2つの施工法があり、それぞれに費用相場が異なります。
施工法 |
1平方メートルあたりの費用相場 |
打ち増し工事 |
500~900円 |
打ち替え工事 |
900~1,200円 |
上記はあくまでも基準としての費用相場です。
施工箇所の広さや難易度・シーリング材の種類・足場の有無などによって費用は変わります。
シーリング工事の費用を抑えるには、以下の3つの方法があります。
・シーリング工事と他の工事とのタイミングを合わせる
・修繕費として計上する
・複数の業者に見積り依頼し、より安い業者に依頼する
施工の難易度が高く足場を必要とするようなら、他の外装工事と併せた発注が効率的です。
また、企業においては、シーリング工事は建物のメンテナンスとなるため「修繕費」として計上され損金扱いができます。
業者に依頼する際は複数の業者に見積り依頼し、じっくり検討しましょう。
シーリング工事とは防水のメンテナンス工事です。
定期的に行う必要があり、業者に依頼するとそれなりの費用がかかります。
DIY施工も選択肢のひとつですが、有資格者による施工と比較すると耐久性に大きな差が出ます。
メンテナンスを考慮すればかえってコスト高です。
場合によっては補助金申請も可能であり、企業なら修繕費としての損金扱いもできます。
シーリング工事を行う際はプロに依頼し、さまざまなコストカットの方法を活用した方が賢明です。
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