ALC外壁に興味があるものの、どのような良さがあるか分からず悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
そこで、この記事では、ALCとはどのようなものか、どのような点で優れているのか、デメリットは何かなどについて解説します。
ほかの建材との比較もしますので、外壁選びで迷っている方の参考になるでしょう。
ぜひ最後までお読みください。
ALCは「Autoclaved Lightweight aerated Concrete」の略で、高温高圧蒸気養生された軽量気泡コンクリートを指します。
多孔質で無数の細かい穴があり、コンクリートではあるものの水に浮くほど軽い点が大きな特徴です。
このALCを使った外壁をALC外壁と呼び、扱いやすさから戸建てや高層ビルなどさまざまな建築で使われています。
薄型と厚型の2種類があり、厚みや主な用途は以下のとおりです。
薄型 |
35mm以上75mm未満 |
木造・鉄骨造向け |
厚型 |
75mm以上 |
鉄骨・鉄筋コンクリート造向け |
住宅環境や構造によって適する厚みが異なるため、業者と相談して選びましょう。
ほかの主な建材とは、以下の点で異なります。
ALC |
多孔質で軽量、耐熱性や遮音性に優れている |
窯業系サイディング |
耐火性が高くバリエーションが豊富 |
モルタル |
コーキングが不要でデザイン性に優れている |
金属系サイディング |
耐熱性に優れている |
ほかと比べ、ALCは特に耐久面で優れた建材です。
ALC外壁にはさまざまなメリットがあります。
主なメリットは以下の3つです。
・耐久性に優れている
・断熱性・耐火性・遮音性が高い
・非常に軽い
多機能で優秀な外壁材といえます。
ALC外壁は内部に鉄筋マットやスチール製の金網などを入れて補強しています。
木線維やパルプ材のような有機物が含まれないため、長く経ってもひび割れや反りが起こるケースはほとんどありません。
そのため、耐久性に優れており、長く美しい状態の維持が可能です。
ただし、ALC外壁は水分に弱いため、定期的に防水塗装を施す必要があります。
適切なメンテナンスをしていれば、50年以上はもつとされています。
ALC外壁は多くの気泡を含みます。
空気の層によって熱が伝わりにくく季節による外気温の変化を受けにくい状態のため、夏は涼しく冬は暖かく過ごせます。
珪石やセメント、生石灰といった燃えづらいものを主原料とするため、耐火性にも優れています。
一般によく使われる窯業サイディングに比べると、2倍以上の厚さがある点もALC外壁の特徴です。
厚みに加え、無数にある気泡が音を吸収するため、高い遮音性も誇ります。
ALC外壁は、非常に細かな気泡が無数に含まれているため、コンクリートでありながら水に浮くほど軽量です。
軽いため業者も扱いやすく、結果的に工期の短縮につながります。
建物は重いほど地震の際にも大きく揺れるものです。
ALC外壁を採用した住居は軽く、地震が起きたときも大きな揺れにつながりません。
ALC外壁にはメリットだけでなく、いくつかデメリットもあります。
主なデメリットは、以下の3点です。
・水に弱い
・つなぎ目からの雨漏りリスクがある
・費用が高め
メリットだけでなく、デメリットについても知っておきましょう。
火には強い一方で、ALC外壁は水には強くありません。
主成分がセメントのため吸水性が高く、小さな気泡に水分が染み込みやすいです。
内部に水分が侵入すると、外気温の変化によって膨張しひび割れが生じるリスクがあります。
防水性がないため、ALC外壁は設置時に防水塗装を施します。
定期的な再塗装により、防水性の維持が可能です。
ALC外壁は、ALCパネルを貼ってつなぎ目をコーキング剤で埋める工法です。
ALCパネルはほかの主要な外壁材よりも小さいためつなぎ目が多く、コーキング部分のひび割れや雨漏りのリスクが高くなります。
ただし、定期的にコーキングの打ち替えなどのメンテナンスを行えれば、雨漏りリスクの軽減は可能です。
ほかの主要な外壁材に比べ、ALC外壁は費用がかかります。
例えば、モルタル外壁を選んだ場合に比べ、3倍近い費用が必要です。
とはいえ、ALC外壁は価格に見合った高機能な外壁材です。
適切なメンテナンスをすれば50年にわたって維持できる点も考慮すると、長いスパンで見れば納得の価格といえるでしょう。
ALC外壁は耐久性に優れ、耐火性や耐熱性の高さなど優れた機能を持つ外壁材です。
ただし、機能を維持するためには、適切なメンテナンスが欠かせません。
ここでは、ALC外壁のメンテナンスが必要なタイミングについて解説します。
ALC外壁のメンテナンスでは、防水塗料の再塗装とコーキングの補修が必要です。
一般的なメンテナンスの時期は以下のように考えるとよいでしょう。
・1回目の再塗装は10~15年前後に行う
・2回目以降の再塗装は前回使用した塗料の耐久年月に準じる
ALC外壁の設置時に防水塗装を施すため、そこから10~15年経ったら再塗装を行いましょう。
2回目以降の再塗装は、前回使用した塗料の耐久年月に合わせて行います。
塗装した時期にかかわらず、外壁に劣化症状が表れたときもメンテナンスが必要です。
放置しているとどんどん劣化が進み、家屋の寿命を縮めるため、注意しましょう。
以下の症状が見られたときは要注意です。
現象 |
具体的な症状 |
チョーキング |
壁を触ると手に白い粉状のものが付着する |
クラック |
外壁にひび割れがある |
剥がれ |
塗膜や外壁表面が剥がれている |
コーキングの亀裂 |
つなぎ目に亀裂が入っている |
症状を見つけたら、早めに業者に相談するなどの対応をしましょう。
ALC外壁には以下のようなメリットがあります。
・耐久性に優れる
・耐熱性・耐火性・遮音性が高い
・非常に軽量
デメリットは水に弱い点です。
とはいえ、定期的に防水塗装すれば50年以上にわたってもつとされています。
家を手入れしながら長く住みたいと考えている方に適した建材といえるでしょう。
興味がある方は、豊富な外壁工事の実績がある当社にぜひご相談ください。
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